社長からの手紙
鰻(うなぎ)の日2010/09/1
同輩の友人と交わす最近の挨拶代わりの会話「僕たちが子供だったころ夏休みはこんなにも暑かったかな!?」・・確かに昔も真夏は暑かったけど、屋内の日陰で扇風機を回せば涼しかった。まさか室内でも熱中症になるという怖さはなかったように思います。博多山笠が終わった後、ずっとこの酷暑が続いています。現場ではこの暑さと毎日格闘の日々でしょう。(お客さんには内緒ですが)くそ暑い時にはちょっとサボりましょう! お盆、私は業界関係の初盆参りで九州一周して来ました。大分から宮崎へは、国道10号線を南下しました。途中、延岡辺りの山中では西南戦役の西郷隆盛陣屋跡というような案内板も目に入りました。明治時代の幕開きには、このような山奥にまで異郷の志士たちが奮迅し、そして彷徨したのですね。遠路の初盆参りの道中は、私にとって歴史との対話でもあり、先人への慰霊鎮魂の旅でもあります。 皆さんのお蔭さまで七月末に当社の「創業60周年祝賀会」を催すことができました。創業期に苦労を重ねて貢献してもらった(世間からすれば無名の)先輩従業員もほとんどが彼岸の向こう側へ行かれたことと思います。祝賀会では何よりもその名も無き先輩たちへの感謝の気持ちを一番に表させてもらいました。その先輩たちが力を合わせて会社を支えてくれなければ今の朝日ビルメンは存在してなかったのです。 先日、私の妹が暑気払いに鰻丼を作ってくれました。妹がその鰻を買うときの話・・大きな鰻で発泡スチロール製のトレイ皿に収まりません。店員へ、皿に収まるように鰻の頭部をカットしてほしいと頼もうとするのですが、皆んな忙しそうで取り合ってもくれません。その時一人の若い男性店員さんが話を聞いてくれて、鰻を持ってバックヤードへ行きました。ずいぶん時間が経ち、「もうそのままでいいから渡して」と言おうとした時、彼が惜し抱くように商品(鰻トレイ)を持って戻って来ました。鰻の頭はきれいに処理され、皿の中にきちんと収まっています。おそらく彼は雇用弱者の青年だったかもしれません。それでも自分のお客さんのために調理係に一生懸命交渉してくれたのだと思います。・・創業期の当社の匂いがする特盛鰻丼を馳走になった今年の盛夏でした。