社長からの手紙
耕して天に至る2024/01/1
師走に入り、うれしいことがありました。ミャンマー人就労者のWさんが11月(1カ月間)に6年ぶりに母国へ里帰りしたのですが、その間に彼女が日本で日常清掃を担当している銀行の支店長さんがわざわざ社長を訪ねて来られ「いつも作業している外国人の女性を最近見かけませんが退職されたのですか?」と心配そうに尋ねられた。里帰り一時帰国の経緯を説明すると安堵して帰っていかれました。Wさんがお客様にいかに信頼され、事業所にとって無くてはならない人財に育っているか私も実感することができ、たいへん嬉しく思いました。
師走にはいつも、朝日ビルメンという“段々畑”を70年以上にわたって綿々と耕し続けてくれた先輩たちの顔が脳裏に浮かんできます。25年ほど前に清掃工事班で汗を流していたAくんもその一人です。Aくんは野村清掃部長の兄貴分で、影日向なくいつも一生懸命仕事に向かい合っていました。その彼がクリスマスの夜に工事班の夜間作業を終えて帰宅する途中で交通事故に遭い突然亡くなってしまいました。・・生前のある年の年末作業で彼が手のひらを大ケガする事故がありました。外観からは見えない玄関シャッターリングの内側を丹念に拭きあげていてゴム手袋越しに深く裂傷したのです。はっきり言えば手を抜いても分からない箇所なのですが・・・
Aくんも先輩方から受け継いだ朝日ビルメンの“段々畑”を黙々としかし誇りをもって耕し続けていたのです。
Aくんは、筑後太刀洗にある“隠れキリスタンの里”で有名な教会の納骨堂に安らかに眠っています。
今年はコスモスの咲く秋の彼岸にお参りして“段々畑”が雲に届かんばかりに高くなっている様子を感謝とともに彼に伝えることができました。