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昔日のアルミ弁当箱物語2022/10/1

安全就労への祈りにかえて

もう40年も前のことになりますが、労働安全管理の講習を北九州で受けました。当時の清掃工事班の仕事は、主に建築現場の足場作業でしたので専門の高所安全作業監督の知識が必要だったのです。その安全講習会の最後の時間に監督署の講師が話された逸話が忘れられません・・ある新米鉄筋工がアルミ工場の老朽化した屋根の修繕工事中に墜落死した。その職人は中学卒業してまだ3ヶ月しか就労していない青年というよりはまだ少年だった。

事故報告書の原因(事実)には、少年がまだ経験不足であり不注意で天窓の脆弱なガラス板を踏み抜いたために墜落と記された。しかし、講師はそれは単なる原因(事実)であって、彼が死ななければならなかった真因(真実)は別にあったと説かれた・・墜落時間は、午前11時59分。当時はコンビニなどなく職人の昼飯は弁当持参が当たり前の時代。しかし、少年は母子家庭でお母さんが病身のため弁当を作って持たせてあげれなかった。彼は正午休憩のサイレンの音とともに屋根上から走り降り、工場の食堂へと向かっていたとのこと。食堂はいつも工員で行列満席状態・・出遅れて来る少年はいつも、独り待たされていたのだろう。一分一秒でも早く食堂へと急ぐ少年の行動を誰が不注意だと断じることができようか。少年のお通夜で監督官は母親から古びたアルミ弁当箱を見せられた・・日の丸(梅干し)弁当でもいいから私が持たせてやっていたらと悔やまれたとのこと・・母親は“真実”を確かに感じ取られていたのだろう。

当時の工事班は、建築現場の足場の上で昼飯をとっていた。夏場は、塩酸洗いのむせ返る臭いで腹が減っていても食欲は進まなかった。冬場は寒風吹き曝しの中、モルタル粉を浴びながらの冷えた昼飯だった。夏は半場の詰所から氷入りの麦茶を、冬は熱いほうじ茶をヤカンいっぱいに入れて階上の足場に持っていくのが若造の私の仕事でした。職人さんのひしゃげたアルミ弁当箱は、豪華三色飯・・梅干しの赤、たくわんの黄、ちくわの茶色だったことをいまは懐かしく思い出します・・今は、コンビニのおにぎりのなんと美味しいことか!

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