社長からの手紙
暮れの大掃除劇場 ~しょっぱいラーメン物語~2021/12/1
会社総掛かりの年末大掃除の季節を迎えます。今年の冬は、厳寒・新型コロナ第6波襲来・インフルエンザ蔓延などの困難と闘いながらの安全作業貫徹に皆さんと取り組まなければなりません。創業71年目の難行です。
折しも福岡の街の冬の風物詩である「福岡国際マラソン(朝日新聞主催)」が第75回(12月5日開催)の今回をもって、その歴史の幕を下ろします。
40年ほど前、12月第1日曜の国際マラソンの日にはいつも駅前の朝日ビルテナントの照明器具年末清掃に就いていました。テナント休日に作業しなければなりません。お昼過ぎには大博通りを選手たちが疾走して行きます。脚立に乗って蛍光管を拭きながら、ビルのガラス窓越しにゼッケン番号の付いた選手の背中を見送ったものです。その夜には天神の地下鉄通路階段の照明器具や電飾看板の一年積もった埃を拭かなければなりません。寒風の中、高さ5メートルの天井に届くようパイプ足場を組んでの徹夜作業です。地下鉄の始発電車が動き出す前に作業を完了させ足場を撤収しなければなりません。当時の工事班の仲間のことを懐かしく思い出しました。血液型OのAさん、AB型のB君、B型のC君たち・・なぜ血液型を覚えているのか?当時の工事班は建築現場の竣工清掃が主働で危険な外足場高所作業が常でした。建設会社の決まりで、ヘルメットには各自の血液型を表記しなければならなかったからです。Aさんは事故で脚に障がいがあり、B君は軽度の知的障がいをもっています。C君は巨漢で腹がすくと動かなくなります!徹夜作業での唯一の楽しみは夜食でした。深夜休憩時間に長浜ラーメン屋台へ連れて行きます。どんと薬味が入れられた豚骨ラーメンが目の前に出されると、なぜかAさんもB君も泣きべそです。Aさんはネギが苦手、B君は紅ショウガがだめときています。さらに今度は巨漢C君まで泣きべそ・・いつもは替え玉最低3回のC君ですが、今夜は不覚にも一気にスープまですすりこんでしまい替え玉をつける汁が無くなってしまったのです。
いやはや朝日ビルメンの舞台は吉本新喜劇にも負けそうにありませんでした。やがて時が経ち、当時大名にあった工事班詰所には今は持ち主がいなくなった傷だらけのヘルメットが人知れず置き忘れられました。