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こぞの秋 いつか来た道2020/11/1

いつの間にか今年の秋も深まりつつあります。本来ならこの1024日にはホテル日航に皆さんを招き「朝日ビルメン創業70周年祝賀会」を催す予定でしたが、予期せぬコロナ禍のために来年へと順延することになりました。思い起こせば20年前の創業50周年の祝典もホテル日航で開催しました。その時、本当に感動したのは清掃グループの仲間が普段の作業着のまま舞台に登場し、私たちの“魂の歌”♪朝日ビルメンの操♪(殿様キングスおんなの操の替え歌)を声高らかに歌ってくれたことでした・・・あなたのために守り通したビルメンの操という歌いだしから終盤のお別れするより死にたいわ朝日ビルメンだから~。

この演歌の替え歌誕生の秘話は、そこからさらに十年をさかのぼることになります。おおよそ30年くらい前の当時は、秋の懇親旅行に大型貸し切りバス5台を連ね、九州各地の温泉を巡っていました。宴会も二百名超えで、当時朝日ビルメン宴会フィナーレの恒例となっていた総踊りでは宴会場の床が抜けるのではないかと心配するほどの盛況ぶりでした。ところがある年の別府への旅行では思いもよらぬことが起こりました。

まずは宿泊先の大型ホテル玄関には赤旗が林立してのお出迎えでした・・・なんと労使紛争が起こりホテル従業員はストに入っていたのです。それでもホテル経営者側は応援の接客係を手配しなんとか宿泊サービスを行うという異様な雰囲気でした。そして楽しいはずの宴会で、その事は起こりました。もともと手伝いの仲居さんたちですから“おもてなし”の心構えはありません。そしてこの宴会が“掃除婦”たちの集まりだと分かった途端に明らかに仲居さんたちの接遇の態度が豹変しました・・・仲居さんたちの心の声(なんで私たちが掃除のおばさんたちを接待しなければならんのか!)という不満。宴会お開き後に悔し涙を流す我が愛するおばちゃんたちを連れて併設する大きな観劇場に移りました。その時に出演していたのがドサ回りをしていた殿様キングスでした・・・枯れてもなお命を振り絞るように熱唱される♪おんなの操♪の声は、私たちの心の奥底に染み込みました・・・その後、誰ともなく替え歌となって口ずさまれるようになったのが♪朝日ビルメンの操♪でした。

あれから私たちの時代は確かに明るくなったような気がします。しかし社業70年の歩みを振り返るときあの頃の痛みと真正面から向かい合っていた頃の自分に戻りたいとも思う今年の秋です。

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