社長からの手紙
つばめの巣 糞にまみれて 一家なす2019/06/1
もう三十五年以上も前になる天神の現場での話です。
古くからのお客様のその建物も相当に古いものでした。そのビル玄関の軒先にツバメが巣を作っており、そこの男性主任は毎年初夏にツバメが戻って来るのを楽しみにしていました。ある日、オーナー様から玄関先のツバメの巣から糞が落ちてきて来館者に迷惑がかかるので、巣を撤去するよう指示がありました。主任は応ずることが出来ずに私に相談がありました。那の津の屋台で夜遅くまで説得したことを覚えています・・・私が6尺の脚立を支え、主任が軒先天井のツバメの巣を泣きながら取ったのはその翌日のことでした。お互い徹夜のはく離作業には耐え得るものですが、この時の作業の辛さは心身に堪えました。しかしこの経験は私に清掃現場の仕事の意味を教えてくれたことです。すべてが昭和の時代の物語でした。
そして三十年の平成の時代を経て、今また皆さんと令和の新たな現場の物語を紡ぎ始めたいと思ったことです。