社長からの手紙
お掃除の天使たちの羽音に耳を澄ませば・・・2016/05/1
さぁ、皆さん朝日ビルメンの新しい年度が始まります。昨年度も現場の皆さんの精勤に支えられ朝日ビルメンは事業を運営することができました。本当にご苦労さまでした。現場の努力に改めて深く感謝申し上げます。4月9日土曜に五十川センターにて、新年度の事業運営の方向性を現場の皆さんに説明しました。朝日ビルメンの屋台骨を支える現場責任者が100名以上も集い熱く、和やかに説明会を行うことができました。冒頭の社長挨拶で皆さんにお話ししたことをここで採録します。 JR東北新幹線車両の清掃を担当するチームが「新幹線お掃除の天使たち」と評され社会的に注目を浴びています。フランス国鉄総裁にこの清掃チームを輸入したいとまで言わしめたものです。またハーバード大学の経営学院は、世界でもトップの企業経営者を育成するところですが、その講座で最も人気があるのがこの「新幹線お掃除隊の運営」講義だと聞いてさらに驚きました!・・清掃という仕事になぜあんなに生き生きと就業できるのだろう?というのが興味の的のようです。この新幹線お掃除の天使たちがどのようにして生まれたかについては追々に詳しくお話ししたいと思いますが、その要点を紹介しておきましょう。先ずはこの仕事に就くとき人は“人生の誇り”を捨てて入るのですが、新幹線清掃の舞台で働くことによってそのプライドを取り戻していくという物語です。従来お掃除の仕事はあまり目立たず地味に行われるものですが、新幹線清掃チームは自らの希望によって真っ赤な制服に身を包むことになります。ホーム停車の新幹線劇場で7分間の華麗なる清掃演技を披露するわけです。マナー礼儀も一流を身に着けました。新幹線列車がホームに入るとき、清掃の天使たちはそのホーム先頭に整列し、深くお辞儀をして列車を迎え入れます。もちろん運転士や乗客への礼ということもありますが、実はホームで待機する乗客が誤ってホームから転落するのをガードしているのだそうです。この発想と責任感は、子供向けの新幹線絵葉書の作成へと向かいます。ホームで退屈しのぎに走り回る子供の転倒事故が後を絶たない状況だったそうですが、このポストカードに興味をもって見入る子供たちは大人しく列車到着を待つようになったそうです。さらに赤ちゃんを抱えたお母さんが授乳の場所に困っている姿を見て、JR本社に掛け合いとうとうコンコースに授乳室も設けさせました。このようにお客様の満足と安全を満たすために次々と善循環する発案を積み重ねています。新幹線お掃除隊の仕事は清掃ではなく、改善活動だということです。これが赤いエンジェルたちと呼ばれるようになった誇りの在りかなのでしょう。 我が朝日ビルメンの現場にも、いまはまだ目立たなくても清々しい天使たちがいっぱいいることを私は知っています。