社長からの手紙
♪ 聖者の行進 ♪2014/05/1
桜花を惜しむように、あるいは桜に見送られるように清掃ベテランスタッフのTTさんが病気で急逝されました。ご親族に「母は生前、本当に楽しい作業所で仕事させてもらっているのよとよく話していました」と言っていただき少し安堵の気持ちに包まれています。 全国協会の世界大会が米国で開催され、全協理事として参加して来ました。旅程の最後に、東日本大震災被災地の同業者の方と南部のニューオーリンズというところを訪問しました。東日本大震災発生の前年に“ハリケーン・カテリーナ”の強襲により壊滅的な水害を被った地域です。人口34万人の都市ですが、半分の住民が避難流出したまま帰還がかなっていないそうです。濁流に押し流された下町地域は、さながら大震災後の陸前高田市を彷彿させるものがありました。そのような過酷な状況下でも“ジャズの故郷”のニューオーリンズ市民は、被災地・気仙沼の小中学生ジャズオーケストラ「スィング・ドルフィンズ」に貴重な管楽器を贈ってきてくれたのでした。当地ニューオーリンズの葬送のかたちは有名ですね。ジャズ・マーチング隊が賑やかしいジャズナンバーを吹奏しながら葬列を先導するのです。古くは奴隷制度慣習が根強く残っていた地域ですので、現世の苦しみから天国では解放されるようにとの祈りのジャズ聖歌だったのでしょう。いま、この世で、仕事の仲間と精一杯スイングしたいと渇望させられた米国南部の旅でした。